舌癌 stage4 体験記

ある日突然舌癌を宣告された夫と、夫をとりまく愉快な仲間達のブログです。

退院から自宅療養へ ”眠れない夜”

一日も早く退院したい。



大きな目標をクリアし、


見飽きた病院内の風景から


長年親しんだ普通の世界に戻りました。




戻っては来たものの


長年親しんだ自分とは違う自分が居る、


そんな感覚なのでしょうか。




退院後、


まずは”眠れない夜”に悩んでいたようです。



夜中に何度も目が覚める。


目が覚めると数時間眠れない、


寝ていると息苦しくて、また目が覚める。。。




退院後2日目。


あまりの不眠に耳鼻科を受診しました。



「精神的なものでしょう。」


と、


睡眠導入薬を貰って帰ってきました。




このような症状は、退院後あるあるなのでしょう。





兎に角、悪いモノを身体から切り離し


これ以上侵食されないように。



それだけを願って、


ここまで走ってきましたが、


いざ、それをクリアすると


次は、まだまだ・・・




更なる不安が押し寄せてくるそうです。




これから、本当に食べられるようになるのか、


社会復帰できる程度に喋ることが出来るのか、


経済的なこと、


将来のこと、


家族のこと・・・




何もかもが不安でしかない。



と。





いたずらに時間だけはたっぷりあり、


そんな思いを巡らせるばかりです。



とりあえず、すぐに出来る情報収集として


同じような体験をしている方のブログを読み漁り、


そこで得た情報をもとに、


本屋さんへ行き、


癌に関する本を読み、



手術前には知らなかった情報にも出会い、


悶々とした思いに拍車がかかっているように見えました。





何も手立てがない。


この状況を脱出する具体的な手立てが、


何もない・・・。




そんな中。


唯一の、目に見える、


体感できるチャレンジは、


”食べること”



退院後数日は、


お粥と完全流動食でしたが、


パン粥、スクランブルエッグ、麻婆豆腐、ハンバーグ・・・


徐々に食べられるものが増えました。



退院後10日目には、


念願だった握り寿司にチャレンジします。


ゆっくり、少しずつですが、


食べる事が出来ました。




退院までも異例の早さでしたが、


食事の復活も異例なのかな、と思いました。






■編集後記■


近くで見ていることは出来ますが、


サポートすることは出来ますが、



いかんせん、本人と同じ状態で


同じ気持ちを味わうことは出来ません。




本人にしか分からない、




そう言ってしまえばそれまでですが、


結局のところ


本人にしか分からないでしょう。






同じく


こちらのことも


私本人にしか分からないので


お互いに


押しつけず、長い目で進んでいきたいと思います。